2023年3月31日
金融業界出身のHです。
企業倒産が増加しています。
東京商工リサーチが発表した1月の企業倒産件数は、前年同月比+26%増の570件で、増加率は2ケ月連続で20%を超えました。
特に新型コロナウィルス渦に伴い利用が進んだ、実質無利子・無担保の所謂「ゼロゼロ融資」の返済が本格化し、中小企業を中心に経営に行き詰まる事例が増えている様です。
かねてから「ゼロゼロ融資」については「ゾンビ企業」の延命を助長しているとの指摘がなされていましたが、返済が本格化するなかで経営再建を断念するケースが増加していると思われます。
ところで「ゾンビ企業」とはいかなるものなのでしょうか。
一般的には債務償還能力が無い企業、利息を支払うために十分な利益を獲得できていない企業等と定義されています。
国際決済銀行(BIS)はインタレスト・カバレッジ・レシオが3年連続で1未満かつ設立10年以上経過した企業、と定義しています。
原材料費の増加、賃上げに伴う人件費の増加等の要因により、「ゾンビ企業」でなくても中小企業の業績は益々厳しくなる可能性があります。
厳しい局面に陥ったとしても凌げる様な、企業体力・事業性・資金調達力等を確保しておくことが、特に中小企業にとっては急務であるかもしれません。
ただ一朝一夕に獲得することが難しいことも事実ですが・・。