2023年5月15日
金融業界出身のHです。
3月17日、連合より発表された今年の春闘はまさに満額ラッシュとなった様です。
平均賃金方式で回答した805組合の加重平均は11,844円・3.8%となり、比較可能な2013年以降最大の伸びとなりました。
その背景には御存知の通り消費者物価指数の上昇があります。
食料品を除く総合で3%以上の上昇となっており、実質賃金マイナスの状況が続いていました。
かつ世界との賃金格差、企業の労働分配率の低さ、優秀な人材の流出、政府からの後押し等様々な要因が重なり、全体として雪崩をうった様な状況になりました。
その中で新聞でも報道されていましたが、トヨタ自動車の佐藤次期社長が、満額回答したその心中を「恐怖に近い」と吐露されていたことが印象的でした。
経営者にとって賃上げとはリスクを取るという観点で、ある意味最も難しい経営判断なのかもしれません。
今後は7割以上の就業者が勤務する中小企業にこの波が届くかどうかです。
物価上昇等の影響を直接受けている中小企業が、大手企業の様な賃上げに踏み切れるか予断を許しませんが、少なからずいい影響が出ることを期待したいと思います。