2023年7月24日
金融業界出身のHです。
従業員のエンゲージメント(働き甲斐)と役員報酬を連動させる動きが広がってきているそうです。
コンサル会社が国内企業200社に行った調査でも、従業員のエンゲージメントが高い企業は、翌年の売り上げ伸長率や純利益伸長率が高い傾向にあり、従業員のエンゲージメントが改善すると営業利益率が改善する傾向がみてとれます。
欧米企業では、欧州株式指数構成企業の30%、米 S&P500種株価構成企業の20%がエンゲージメントと役員報酬を連動させており、我が国においても、日立製作所、出光興産、京浜急行等、名だたる企業が中期経営計画の中の目標の一つに従業員エンゲージメントの改善を盛り込んでいます。
離職する社員を防止する為、エンゲージメントを重視せざるを得なくなり、「人的資本」重視の観点から、投資家からもエンゲージメント改善の圧力が強まっているという事情もある様です。
ただ日本企業に関して言うと、2022年の調査ですが自らの会社にエンゲージメントを感じている従業員の比率は5%で世界平均(21%)を大きく下回っていますので、まず緒についたというところでしょうか。
以前の職場で、(今ではどこの職場でも一般的なのかもしれませんが)
自らの人事評価に360度サーベイなる評価制度が導入され、部下や上司、同僚などから、様々なご意見を頂くことになり面食らった記憶があります。
そこからしても隔世の感がありますが、これらが我が国の役員報酬のあり方を変えるのかどうか、注視して参りたいと思います。
▼前回の記事はこちらをご覧ください
『銀行の誤算』