おひとりさま高齢者支援事業スタッフのSです。
成年後見制度は2000年4月より民法改正で生まれた制度です。
法定後見と任意後見があり、今回お話するのは法定後見のお話です。
九州地方で実際にあったケースですが、様々な事情によりご主人が成年被後見人となり、奥様が看病しているご夫婦がいました。
ご夫婦は後見人より切り詰めた生活を強いられており、奥様がご主人のために甘いものを買ってあげたいと思っても、後見人に「要らない物を買うな」と言われ、でも本人が食べたがるので買ってあげたいと話しても、「無視してください」と言われたそうです。
制度の問題を指摘する声もありますが、後見人の報酬が被後見人の預貯金額に比例することが問題で、なるべく財産を使わせないようにしたり、保険の解約や家の売却をしたりなど、とにかく預貯金を増やすために切り詰めた生活を強いていたようです。
他にも、奥様が温泉旅行を計画したところ、後見人に強く反対されたそうで、
「温泉に行ったら病気が治るのですか?治るのなら医者の証明書を取ってきてください」と言われたそうです。
原則的に、後見制度は一度開始するとやめられません。
家族以外が後見人となる場合、何をしてもしなくても報酬額はさほど変わらないため、本人に会いにも行かず、ただビジネスとしてしか見ていないことも実情のようです。
今回のケースでは当後見人が辞任し、新しく弁護士が後見人となったようですが、ご夫婦の今の財産状況や後見人の報酬金額も教えてもらえていないそうで、いまだに新しい後見人は会いにも来ていないとのことでした。
最後に奥様が「寄り添ってくれない・・・。赤の他人が仕事もしないでどんどん報酬を持っていく。誰がこの制度を一番喜んでいるのか。決して家族ではないですし、ましてや本人でもないですよ」で締め括られていました。
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『成年後見制度の闇 その②』