金融業界出身のHです。
地方銀行で融資先の不祥事が相次いでいるそうです。
新聞にも、群馬県の第二地銀東和銀行や山形県の第二地銀きらやか銀行で不祥事に伴う不良債権発生の例が上げられていましたが、共通するのは「粉飾決算」が原因となっている点です。
昔は非常に厳しい金融庁の金融検査マニュアルに基づく金融庁検査や自己査定がありましたし、日銀も定期的に考査が行われていました。
そういった検査や考査に対応する為、相当な帳票を作成し、お取引先から資料を集め、兎に角膨大な体力を割いていたように思います。
今の金融機関は(自己査定は当然残るのでしょうが)金融検査マニュアルも無くなり、その分「緩く」なっていることが粉飾の要因ではないかとのニュアンスで書かれていました。
しかしそれだけでも無い様に思います。
そもそも企業と金融機関の関係性が変わってきているのではないでしょうか。
過去には、業績の厳しい会社があれば担当者はその会社に赴き、場合によっては企業に常駐し、再建計画作成のお手伝いをするケースもありました。
当然すべての取引先にそこまでの対応は出来ませんでしたが、ある程度の規模の企業でかつメインバンク若しくは準メインバンク等の関係性があれば、金融機関としても経営にコミットしなければならないような雰囲気が、かなりあった様に思います。
人材も財源も余裕のあった、恵まれた時代だったのかもしれません。
状況の苦しい会社とお取引するわけですから簡単にはいきませんし、メインバンクであれば責任もあります。
そういった観点で非常に苦しかった時代でもあります。
今ではこの様な対応はまず不可能とも思われますが、ある意味非常に貴重な経験のできた時代でした。
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