おひとりさま高齢者支援事業スタッフのYです。
私たち私たちは、予後の短い方のサポートをしております。
予後の短い方は、死後に向けての準備をスピーディに行う必要があります。
そのため、支援している方のご逝去、火葬、納骨に立ち会う機会が増えてまいりました。
1月から、末期がんの父と娘を題材にしたドラマが始まりました。
死ぬまでにやりたいことをやっていく父とそれを叶えようとする娘。
前回は、父の主治医が、「お父さんのことを大切にするのはいいけど、自分自身も大切にするように」と、父の病気をきっかけに結婚を先延ばしにしようと決めた娘に言ったのが印象的でした。
個人的なお話ですが、5年前に父を末期がんで亡くしました。
末期がんの家族を見送ったことについて、家族目線でお伝えしたいと思います。
父のがんが発覚したのは亡くなる1年半前です。
父とは一緒に暮らしていなかったので、報告や連絡はメールで行っていました。
父からのメールでがんであることを知らされました。
ステージ4の食道がん。
父は30代の時にもがんを経験しているため、病院には定期的に検査に行っていたそうですが、話を聞いてみると、胃から下の臓器は調べていたようですが、胃から上の臓器は検査していなかったようです。
食べ物がつっかえて救急車で運ばれ、がんが発覚しました。
父はとても前向きでした。
「何もしなかったら半年で死ぬんだって。でも治療するから治ると思うわ。」
がんの告知を受けても冷静に、私たちを不安にさせないように振舞ってくれました。
すぐに抗がん剤治療が始まりました。
抗がん剤治療で入院するタイミングに、実家近くの出張が増えたため、週末はお見舞いに行きました。
父の病室に入ったことは一度もありません。
父はいつも病室から出てきて、談話室で元気な姿を見せてくれました。
「大丈夫!前の治療の時も同じことやってるし慣れてるから」
父が気丈にふるまっていたため、父の前では皆、深刻な顔をしないようにしていました。
笑いながら、
「早く帰っておいでよ」
と言えば、父は
「あー、早くお酒が飲みたい」
など、何気ない会話をしていました。
抗がん剤治療が終わり、父に病気のことをたずねると、「大丈夫そう、元気だから」と返事がありました。
父が話したがらないことは、私たち家族も追及しません。
父の言うことをそのまま受け止め、がんの進行について触れないようにしていました。
②に続く
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