金融業界出身のHです。
少し前にテレワーク訴訟に関して記事が掲載され、興味深い内容でしたのでブログに取り上げたことがあります。
記事の内容は、テレワーク禁止の指示に対し女性社員が出社を拒否したケースでした。
東京地裁は「出社命令は業務上の必要性は無かった」として会社側に不足分の給与支払いを命じ、最終的に和解が成立した事案です。
その際ブログにも書きましたが、裁判所は「テレワーク」という勤務形態はある意味権利で、業務上の必要性が無ければ出社命令は無効という判断をしたのです。
今回は、女性の営業職が1年半の産休・育休の後復帰したところ、かつての職場が無くなり収入が大幅減らされていたケースです。
当該女性は営業職としても管理職としても非常に優秀であったにもかかわらず、東京地裁は「通常の人事異動」の範囲内として女性の訴えを退けました。
その後控訴を受けた東京高裁は全く逆の判断をします。
「直ちに経済的な不利益を伴わない配置転換でも、業務内容の質が著しく低下し、将来のキャリアに影響を及ぼしかねないものは不利な処遇に当たる」とし、(配置転換後の仕事は一日700件のテレアポだったそうです。)会社側に賠償金の支払いを命じました。
女性の権利云々は別としても個人的には妥当な判断と思われます。
言うは易し行うは難しで、最長2年間休暇を取っていた女性を再雇用するわけですから従前どおりは厳しい、という声も聞かれてきそうですが時代は変わったのです。
これからは、優秀な女性を採用する際の必要な費用として、人員の余裕を含めある程度織り込んでゆくことが求められていると考えます。
唯一この判断で解せないのは、テレアポが「質の低い業務内容」とされた点です。
詳細は分かりませんが、これには納得できない方が多いのではないでしょうか。
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