おひとりさま高齢者支援事業スタッフのAです。
2024年4月1日から、労働基準法に基づき医師の休日や時間外労働時間の上限規制が適用されるようになりました。
多くの職種では5年前から法律に基づいた働き方改革が始まり、上限規制が行われていましたが、これまで勤務医については地域医療への影響などから猶予されており、上限規制はありませんでした。
今回設けられる上限は、いわゆる「過労死ライン」にあたる年間960時間です。
1か月あたりの平均に換算すると80時間で、一般の労働者とほぼ同じ規制になります。
一方、例外として、一部の救急病院など地域の医療体制を確保するためにやむをえず長時間労働せざるをえない場合を想定し、暫定で年間1860時間の特例水準も設定されます。
このほか、健康確保のための措置として連続勤務時間の制限や休息時間の確保なども始まります。
しかし現場では長時間労働による問題が指摘され続けています。
厚生労働省が令和4年に行った医師の勤務実態に関する調査では、年間の労働時間が「過労死ライン」にあたる960時間の上限を超える医師の割合が全体の21.2%で、依然高い数字となりました。
働き方改革を進める医療機関では、医師の時間外労働時間を減らすため、以下のような体制見直しを進めています。
・土曜日の外来診療を大幅に縮小
・夜間の診療にあたる医師を減らす
その結果、1か月あたりの医師の時間外労働時間は病院全体で平均100時間近くから40時間以下にまで減少したといいます。
しかし夜間から早朝にかけて勤務する医師が半減したために、一時は救急患者の受け入れを断らざるを得ないケースも増え、葛藤を抱えながら取り組みを進めているとのことです。
患者のニーズとどう両立させていくか、今後の課題でもあります。
医療連携によるおひとりさまサポートを行っている当社としても、今後もこの問題を注視し、より良い環境で適切な患者支援が行えるよう提言してまいりたいと思います。