お一人さま支援事業スタッフのYです。
先日、病院のMSW様からご相談がありました。
予後1ヶ月のがん末期の患者A様。
ご両親、ご兄弟、配偶者、ご子息がいないため、法定相続人になる方がいない。
財産をお世話になった人に遺したい。
死後の対応もやってくれる人を決めておきたい。
意識ははっきりされているとのことでしたが、予後も短いとお伺いしたため、翌日、行政書士とともに患者様のもとを訪れました。
A様はとても柔らかくかわいらしい男性。
私たちの提案を受け入れてくださいました。
行政書士の委任状にもサインいただき、1週間後に公正証書遺言を作成するお約束をし、その日はまた会いましょうねとお別れしました。
翌日、MSWから連絡がありました。
昨晩お亡くなりになりました。
MSW様も、まさかこんなに早く亡くなるなんて思わなかった、ショックですとおっしゃっていました。
私たちも、A様の予後を考え、最短で動いたつもりでしたが、遺言を作成することが叶いませんでした。
A様が遺された預貯金、不動産などは、法定相続人がいらっしゃらないため、国庫に帰属します。
私たちのサポートも、ご契約などができなかったため、お手伝いができません。
A様の最期の思いをカタチにできなかったことがとても残念です。
今回のA様の経験をもとに、スピード感がいかに大切か、改めて認識いたしました。
高齢者の方は、いつ何が起こるかわかりません。
たった一度の転倒で寝たきりになってしまうこともあります。
高齢者をサポートする私たちは、より一層、準備することの大切さを皆様に伝えていければと思います。
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